カナムグラ(鉄葎、金葎)  学名:Humulus scandens、 Humulus japonicus  戻る
分類:アサ科・カラハナソウ属、1年草  
分布:全国 生育地:荒地、土手、道ばた  
高さ:つる性 花期:8〜10月 花色:うす黄緑色  


荒地や道ばたに普通に見られるつる性の1年草。繁殖力が強く、他のものに絡まりながら藪になります。
茎と葉柄には下向きのトゲがあり、対生する葉は掌状に深く5〜7個に裂け、葉の表と裏には粗い毛がありザラザラしています。
雌雄異株で、雄花と雌花は別々の株につきます。雄花は大きな円錐状の花序に、雌花は雄花序よりかなり小さい球状の花序に下向きにつきます。
雄花に触れると、花粉が煙のように舞います。ブタクサ、ヨモギとともに秋の花粉症の原因になります。
私の畑周辺では土手の下の藪に自生し、油断すると畑の中に入って来て野菜や支柱に絡みつきます。
素手で触れると痛いし、手袋や衣服にはくっつくし、排除するのに手こずります。
キタテハの幼虫の食草なので、少しぐらいはあったほうが良いと思っています。
名前の由来は、茎が強靭であることを鉄(カネ)に例え、葎(ムグラ)はツルが生い茂った藪状態を指す言葉。
 

4月、土手に芽生えて間もないカナムグラ。
今のうちはかわいいですが、成長すると厄介者です。

茎は赤みを帯び、双葉は細く長く、本葉には深い切れ込みがあります。生長スピードが速く、7月にはならず者。

毎日大きくなるのが分ります。

土手のカナムグラ。つるを伸ばし、畑に侵入してきます。

つる先端の若葉。形はモミジかヤツデのようです。茎や葉柄に下向きのトゲが生えていて、素手で触ると痛いです。

食痕がレースのようになった葉。犯人は体長2.5oほどのアサトビハムシ。同属のホップの重要害虫です。

農道脇のカナムグラ。他の植物に絡まって、藪になっています。

雄株の雄花です。葉の脇から花茎を出し、その先に淡黄緑色の小花をつけます。触れると花粉が舞います。

雄花ズームアップ。ガク片は5裂し径5mmほど。雄しべは5個で、短い花糸の先に黄色い葯が垂れ下がります。

雌株の雌花。苞に埋もれて、目立ちません。 

花後は果実が膨らみ、緑から褐色になります。
果実の大きさは、直径4〜5o。