ムラサキケマン(紫華鬘) 別名:ヤブケマン 学名:Corydalis incisa  戻る
分類:ケシ科・キケマン属、越年草、有毒植物  
分布:全国 生育地:道ばた、土手、林縁  
高さ:20〜50cm 花期:4〜6月 花色:紅紫色  


半日陰でやや湿った場所に生える越年草。花は紅紫色で、黄色い花をつけるキケマンの近縁種です。
全体が軟らかく、茎には稜があり少し角ばっています。葉は2〜3回羽状に細かく裂け、一見、ニンジンやシャクなどのセリ科に似ています。
花は長さ1.5p前後の筒状の唇形花、茎の上部に横向きに多数つけます。花が終わって結実、種を散らして夏になると見えなくなります。
名前の由来は古代インド、サンスクリット(梵語)にあり、花が「華鬘(ケマン)」に似ているからとか。
仏殿の内陣や欄間などを荘厳する仏具が、サンスクリット語で「kusamamala(クスママーラ)」、華鬘はその漢訳。
  

 春のロゼット状の根生葉。

葉は、ニンジンのような切れ込みがあります。

林に近い土手に、毎年咲いています。

ムラサキケマンは春の花、夏近くになると存在が分からなくなります。

花弁は4つ。一番大きい上の花弁は、前は濃い色で上に開き、後ろは薄い色の距で、突き出ています。

小群生、寄せ集まって咲いています。

緑の鞘状の果実は、触るとくるっとつけ根からめくれ、種が弾けます。鞘の長さは約2pで、幅は4o、厚さは2.5oほどの魚のような紡錘形。

手で握ると、2枚の表皮がめくれ、筒状になりました。
種は黒く1.5oほど、10個前後入っています。