カボチャミバエ (南瓜果実蠅)  pumpkin fruit fly
分類:昆虫綱・ハエ目・ミバエ科
食草(幼虫):カボチャなど
害虫度:高★★★ 
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成虫は大きさ1cmぐらいのきれいなハチ柄のハエで、ひそやかにカボチャ畑を飛び回っています。
雌は、落花直後の軟らかい果実に産卵します。孵化した幼虫は深く這い入り、種子周辺を食害します。
幼虫が入ったカボチャを割るとウジ虫がたくさん入っていて、なかにはぴょんぴょん飛び跳ねるのもいます。
気の弱い方は卒倒するかもしれませんが、そのままビニール袋に入れて焼却処分にしてください。
幼虫の体長は、終齢で20mm近くなります。
ミバエが入っている可能性のあるのは、8月下旬以降に収穫したものです。8月中旬までのものにはまず入っていません。
カボチャ以外では、パンプキントランペット、ミニ冬瓜に入っていたことがあります。
対策は、収穫時期を過ぎた果実を畑にそのまま放置しないで回収し、必ず割って中を確認することです。
もし幼虫や蛹が入っていた場合は、袋に入れて持帰って焼却処分してください。
悪名高きミバエですが、みんなで徹底すれば根絶できると思います。
カボチャミバエの仲間には、ミスジミバエ、沖縄で根絶されたと言うウリミバエやミカンコミバエなどがいます。
  

♀です。ハチ柄で、翅の先端が黒ずんでいます。
体長1pぐらい。
産卵管を若く軟らかい実に浅く挿して産卵します。

前から見るとハエの顔です。
複眼がとてもきれい、でも恐ろしいミバエ。


つるが根元からぽろっと取れるなど、ちょっと違和感のある小振りのカボチャを割ってみました。
直感通り、カボチャミバエの幼虫が入っていました。
 

 箸でほじくると、白い幼虫がいました。すぐに奥深くにもぐろうとします。這う動き、もぐる動きは素早いです。

中から幼虫を1匹取出し観察します。
大きさ12mmぐらいの飴色の美味しそうな蛆虫です。 

時々体を丸め、力をためて大きくジャンプします。20cmぐらいは跳びます。つぶすとカボチャの汁のような透明感のある黄色の体液が出ます。ごめんなさい。

収穫後しばらく置いた違和感のあるカボチャを切ると、
やはりカボチャミバエの幼虫が入っていました。

果肉まで食害され、スポンジのようになっています。

ミバエの幼虫がうごめいています。

終齢幼虫でしょうか、18mmぐらいあります。このまま中で蛹になったり、脱出して土の中で蛹になったりします。

被害カボチャをビニール袋に入れておいたら、袋に穴が開いていたのか開けたのか、幼虫が数匹脱出し床に。幼虫・前蛹・蛹のそろい踏み。蛹は8mm、終齢幼虫は14mmです。