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ゆりの木通信 vol.10(2005年1月号)
 明けましておめでとうございます。4月にヨチヨチ歩きで始めたお店も、お客様に支えられながら新しい年を迎えることができました。心より感謝申し上げます。
 今年もがんばって、より美味しいものを作って行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

☆今月は趣味で集めたこけしをご紹介します。
■こけしの歴史と系統
 伝統こけしは東北地方固有のもので、その発生は江戸後期の文化・文政頃(1804〜1830年)と言われています。湯治客相手の、子供のみやげ用として売られたこけしは、やがて大人の鑑賞や趣味の対象に変わるのです。
 こけし作りの技術やデザインは、型として師弟関係で受け継がれました。その系列は大まかに10系統に分けられ、かつて中心地であった地名で呼ばれています。
☆伝統こけし10系統
津軽系 青森県温湯温泉
写真左から:津軽系、南部系、木地山系、鳴子系、蔵王系
南部系 岩手県花巻市
木地山系 秋田県木地山
鳴子系 宮城県鳴子温泉
蔵王系 山形県蔵王温泉
肘折系 山形県肘折温泉
写真左から:肘折系、遠刈田系、山形作並系、弥治郎系、土湯系
遠刈田系 宮城県遠刈田温泉
山形作並系 山形市・仙台市近郊
弥治郎系 宮城県弥治郎
土湯系 福島県土湯温泉

■こけしとの出会い
 昭和56年から4年間、仙台在住。もともと何本かは持っていましたが、収集のきっかけは遠刈田系の英太郎の直助型を手に入れてからだと思います。
 それ以後、熱病におかされたごとく、東北各地のこけし工人を訪ね歩き、約3年で350本集めることになったのです。こけしの良さは、触ったときの木のぬくもり、重量感、立体感と鑑賞に値する東北独自の美しい伝統工芸品であることです。

こけし群像

遠刈田系直助型

弥治郎系治助型

肘折系周助型