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ゆりの木通信 vol.9(2004年12月号)
 蕎麦主産地を襲った台風。九州、北海道、そして福井などの蕎麦の収穫高は平年の7〜8割減で、国産蕎麦の絶対量が不足しています。
 そのため12月からは当面、今まで使っていた「福井在来」と茨城県金砂郷の「常陸秋そば」の2本立てになります。「常陸秋そば」は日本一といわれるブランド品種です。「福井在来」と「常陸秋そば」、それぞれの個性を楽しんでいただけたらと思っています。

☆ゆりの木の蕎麦打ちダイジェスト:毎朝の蕎麦打ち作業をご紹介します
 材料(22人前):そば粉1680g+小麦粉(中力粉)420g=2100g、水は粉の重量に対して45〜50%(約1000cc)
■こねる:水を均一に滲み渡らせる。加水量がそばの運命を決める。水廻しは勘の世界。
そば粉と小麦粉を混ぜる→第1加水8〜9割→おから状→第2加水→ごろごろ玉状→微調整加水→くくって捏ねて(50〜100回)そば玉の完成。
加水量は、夏場は少なく(43%前後)、冬場は多くなる(49%前後)。

ごろごろ玉状

こねる

最後は菊練りでそば玉の完成

■のす:ひたすら均一に薄く伸ばす。デリケートなそば生地、力加減注意。のしは勘と技術の世界。
丸く伸す(丸出し)→巻棒を使い正方形にする(角出し)→厚さを均一にする(肉わけ)→厚さ約1.4mmまでひたすら伸ばす(本のし)→打粉を振って12枚重ねにたたむ

丸出しで70〜75cmの円にする

角出しで正方形にする

幅約80cm,長さ2.2mの生地を12枚重ねにたたむ。1kg以下は8枚重ね。


■切る:切りは技術と精神力の世界で、経験を積めば誰でも上手になる。
切板に打粉を多めに敷き麺帯を載せ、その上にも打粉を多めに振る→切り幅を約1.5mmに均一に切る(包丁を垂直に入れ、麺を切りながら包丁を左に傾け、切り幅を保つ)→打粉を落とし麺を生舟に入れる

切り幅を一定にする

駒開き。麺がくっ付かないように包丁で裁く

打粉を落として生舟に保管