タマナヤガ(ネキリムシ)  Agrotis ipsilon 
分類:昆虫綱・チョウ目・ヤガ科・モンヤガ亜科
食草(幼虫):広範囲にわたる
害虫度:高★★★ 
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幼虫は、いろいろな野菜苗を根元から切断するネキリムシの一種です。カブラヤガとは、特に幼虫は識別が難しいです。
終齢幼虫の体長は約45mmで、カブラヤガより若干長い感じです。同定するには、育てて羽化させるのが一番です。

成虫は前翅長22mmぐらい。カブラヤガより黒くて少し大きい感じです。
一般地で年3回発生、寒冷地では年2回。一般地では幼虫で越冬、寒冷地では越冬できないとのことです。
秋田では、一般地で羽化した成虫が5月頃に飛来し産卵、卵は4〜14日で孵化、幼虫期間は15〜28日、蛹期間約7日を経て成虫になります。
産卵から羽化までの必要期間は気温に有意差があり、低温より高温の方が短くなります。 
私の畑での害虫被害度NO.1は、カブラヤガとタマナヤガのネキリムシ類です。


切られたチコリの根元から出てきました。
体長約45mmの老齢幼虫です。

頭部のアップ。怖い顔です。

土中で縮んでもうすぐ蛹になります。

6/28、20mm前後の蛹が、こんなに土の中から出てきました。今年(2011年)は特別多い気がします。この中からくねくねと元気なものを選び、羽化させることにします。

7/6、元気に羽化しました。前翅長20mmぐらいです。まぎれもなくタマナヤガです。カブラヤガより全体に黒っぽく、前翅先端が少し明るい色です。 

 じっとしているところは、ちょっと不気味です。 

アクリル板越しに裏側から

蛹を羽化させたら、やはりタマナヤガでした。
土中の蛹は、ほとんどタマナヤガのようです。
タマナヤガ、今年は異常に多いです。

卵は1,2個ずつ野菜や草の地際に産卵、幼虫は日中は土の中で見えません。被害が出て初めて気が付く有様です。