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ゆりの木通信 vol.4 (2004年7月号)
 ゆりの木オープンから2ヶ月半、思った以上にそば屋はハードな仕事です。朝早くから仕込みに入り、あっという間に11時、開店時間です。お客様に「また来たい」と思っていただけるよう、いつでもこころを込めて作って行きたいと思います。
今月から「そばの知識」を3回に分けて連載したいと思います。

★ 第1回:ソバの品種と生産量
■日本のソバの品種
 ソバは「タデ科ソバ属」に分類されます。さらに細分化すると「普通種」「ダッタン種」「宿根種」の3つに分けられます。「普通種」は一般的に日本で食されているソバです。「ダッタン種」はルチンが多く、苦ソバといわれます。「宿根種」は実が小さいので葉の部分を漢方薬として利用し、野菜ソバとも言います。それでは我々が普段食べている「タデ科ソバ属普通種」のソバについてお話を進めたいと思います。
 ソバの原産地は中国西南部、日本には朝鮮半島か揚子江流域を経て伝わり、ヨーロッパにはシルクロード沿いに伝わったとされています。
 ソバは日本各地(沖縄を除く)で栽培可能で、生育期間が2〜3ヶ月と短く、作期に対応して夏ソバ、秋ソバとその中間型があります。また、コメに秋田こまちやササニシキがあるように、ソバにもいろいろな品種があり、1978年に種苗法に基づく品種登録制度が創設されました。
 日本のソバの主な品種(呼び名)
 牡丹そば(北海道)  北海道全域に適応する北海道農試で育成された代表品種。
 キタワセソバ(北海道)  北海道農試で育成された牡丹そばの集団選抜と系統団選抜による固定品種。
 階上早生(青森)   青森農試で育成。
 岩手早生(岩手)         岩手農試で育成。 春播き、夏播きできる。
 岩手中生(岩手)          岩手早生よりやや晩生。
 常陸秋そば(茨城)        昭和60年に茨城農試で育成された金砂郷在来の選抜育成品種。有名品種。
 信濃1号(長野)         昭和10年長野農試で育成され、適応範囲が広い。
 信州大そば(長野)        信州大学で育成された、信濃1号の人為四倍体。
 みやざきおおつぶ(宮崎)      宮崎大学で昭和57年に品種登録された、宮崎在来の人為四倍体。粒が大きい。
その他 : 最上早生・出羽かおり(山形)、福島在来(福島)、栃木在来(栃木)、奈川在来・戸隠在来・開田在来・信濃夏そば・高嶺ルビー(長野)、福井在来(福井)、祖谷在来(徳島)、鹿屋在来(鹿児島)、などがあります。
■ソバの生産量
 世界のソバの生産量は約260万トン、1位が中国で約160万トンと推定され、次いでロシア、ウクライナとつづきます。日本では平成13年は約2.3万トン、キタワセソバで代表される北海道が約9千トンと断突で、福島県・長野県・鹿児島県・茨城県が2番手となっています。
 日本での消費量は約12万トンで、そのうち約8割の9.7万トン(中国が8割)を輸入に依存しています。中国産玄そばの価格は国内産の約1/8です。

ゆりの木の
活きの良い玄そば

庭に蒔いたら芽が出た
おいしそう

やせた土地でも
花が咲いた

よく観るときれい
一輪挿にしています