■ゆりの木トップ
ゆりの木通信 vol.5(2004年8月号)
 ゆりの木の庭のソバ、暑さにもめげず今を盛りと花を咲かせています。花は地味で小さいですが、きれいで気品があります。花は1ヶ月ほど咲き続けるんですよ。今から実を結ぶのが楽しみです。皆さんも観てくださいね!

★「そばの知識」第2回:ソバの実の構造と製粉
■ソバの実の構造
 夏ごろ蒔かれたソバは、やがて芽を出し小さな白い花を付けます。いよいよ種まきから約75日、ソバの実が結実し、収穫前線が南下します。収穫量は1反歩当たり約90kg、米の約500kgに比べてかなり少なめです。  
 ソバの実は一般的に玄ソバと言われ、つやのある黒茶色で独特の三角すいを形成しています。大きさは5mm前後で、米より少し大きい程度です。
 玄ソバはそば殻と呼ばれる「果皮」と内部の「子実」とから成り、さらに子実は表面部の甘皮と呼ばれる「種皮」、内部の「胚乳」、S字形の「胚芽(子葉)」から成ります。


■ソバの利用
 
 ソバの実は高血圧を予防するルチンを多く含み、たんぱく質やビタミンなどの栄養素に富みます。殻を取り除てそば米やそば茶に、粉にして麺(そば、冷麺、パスタ等)や菓子(もろこし、饅頭、ケーキ、そばぼうろ等)、そばがき、パン、クレープなど。他に酒類(ウォッカ、焼酎、ビール)やそば殻を枕に、花を蜂蜜源、芽をもやしなどの野菜に利用されています。
          

■製粉工程とそば粉の種類

 現在のソバの製粉方法には、主にロール製粉と石臼製粉があります。
 ロール製粉は大量生産を優先した方法で、現在製粉工場の主流になっています。一方、石臼製粉は効率よりも、美味しさを優先した方法です。
 ・製粉工程
 @ 精選工程
 玄ソバにはソバの葉や茎・土砂などが混入しているので石取機などによて除去し、研磨機によって研磨する。
 A 脱皮工程

 脱皮しないで製粉工程に進む場合があるが、一般的に粒の大きさを4〜5種類に分けて皮むき機でソバ殻を除去する(丸抜き)。
 B 製粉工程  ロール製粉は高速で回転するロールの間をソバが通ることで粉にする。高温により香り成分の揮発と酸化が起こる。しかし一番粉から四番粉まで段階的取り分けができる。石臼製粉は低速回転(1分間約16回転)なのでほとんど熱が発生しない。特別な場合を除き、ソバの実が丸ごと入る「挽きぐるみ」となる。
・そば粉の種類   ソバの実の中心部は「でんぷん質が多い・白い・香りが弱い・食感がよい」。 外側に行くにしたがって「たんぱく質が多い・色が濃い・香りが強い・食感が悪い」。
一番粉(内層粉) そばの実の中心部の胚乳部分で、純白に近い。良質なでんぷんが主体で、上品な甘みがある。更科粉(御前粉)や粒子の粗いものは打粉となる。
二番粉(中層粉) そばの中層部分からとれ、そば独特の風味がある。
三番粉(表層粉) 色が濃く、味と香りが強く、ルチンなどの栄養価が高い。
 四番粉 甘皮や胚芽が主体で繊維質。甘皮は甘くビタミンB群が多い。
    そば工房ゆりの木は「玄そばからの自家石臼製粉」。ソバの実が丸ごと入る「挽きぐるみ」です。